2024年12月18日
藤江勝太郎 その1
静岡県で初めて烏龍茶を生産した人物が森町出身の藤江勝太郎(1865-1943)です。藤江勝太郎は1865(慶応元)年に城下の茶商の家に生まれました。父親新蔵も茶業者で、横浜で貿易業を営んでいたこともあり、幼いころは横浜で過ごしていました。緑茶から紅茶、烏龍茶の製法から商いの仕方を学んだ後森町に戻られました。時は1880年代、日本茶(緑茶)の製茶輸入が拡大のピーク期でありました。幕末に横浜で開港されて以降、大半がアメリカに輸出されていきました。しかしアメリカ議会において不正茶輸入禁止条例が成立して制限を強化されたほか、紅茶へのニーズが求められていきました。藤江はこれに危機感を募り、紅茶や烏龍茶の生産が必要であると考えるようになりました。実際には1891年以降日本緑茶は低迷していっています。 つづく