2023年02月12日
やかんについて

やかんといえば学校の給食時で緑茶を出すときに使われたりお湯を沸かすときに使う土瓶型の用具で家庭内で使われたりと必ずや見かけていると思います。やかんは鉄やアルミ、ステンレス製でできていてホームセンターで手軽に購入できます。だいたい2~3リットルくらいのものが多いです。コンロで加熱させるのが一般的ですが、雪国などではストーブの上で沸騰させたりして部屋の空気の乾燥を防ぐために用いられたりされるところもあります。
やかんの語源は「薬缶」と書き、漢方薬を煎じるために使用されていた薬鑵(やくくわん)が変化したものとされています。鎌倉時代には登場されているとされ、茶の湯では取っ手と注ぎ口が付いた羽釜とされる鉄瓶が使われていました。鉄瓶は南部鉄器として岩手県の特産品として知られています。元をたどれば縄文時代に注ぎ口があり、取っ手の変わりに吊るし紐を通す穴がある「注口土器」がやかんの原型だったとされています。(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/516790 参照)
歌川広重(1797-1858)の「東海道五十三次」の絵にもやかんが用いられています。
やかんを沸かすときに沸騰すると笛のような音が鳴り響くものがありますが、1920年代にニューヨークで発明されたとされています。注ぎ口に付けた蓋には小さな丸穴が空けられており、ここを蒸気が通過する際の摩擦で高い音を出して鳴る仕組みとなっています。さて、やかんは英語でケトルといいます。ケトルといえば電気ポットですが、電気ケトルは2リットル以下の少量で電気で沸騰させるものです。電気ポットとの違いは長時間の保温ができないことです。保温ができないために消費電力が少ないことが利点でもあります。
