2017年11月01日
紅茶の日
11月になりました。11月1日は紅茶の日とされています。これは日本紅茶協会により定められたものです。この由来によれば、1791年(寛政3年)の11月1日まで遡ります。伊勢国(現三重県)出身の船頭・大黒屋光太夫という人物が、ロシアの女帝エカテリーナ2世のお茶会に招かれ、日本人として初めて本格的な紅茶を飲んだという逸話からきています。大黒屋光太夫(1751-1828)は1782年(天明2年)12月9日白子港(三重県鈴鹿市)から米や木綿などを積みロシアを目指して出港されました。しかしながら度々の嵐に見舞われ、約7か月かけた末極東の島に到着しました。大黒屋はこの島に約4年を過ごし、帰国嘆願のためにシベリア本土のカムチャッカ半島へ渡りましたが当時の日本は鎖国状態のため却下されました。大黒屋は帰国許可を願い出るため、当時のロシア女帝エカテリーナ2世のいる首都サンクトペテルブルクへ向かうことを決断し、約8年を擁した後、女帝にこの境遇に深く同情され帰宅許可を与えられました。そして1792年、大黒屋らはオホーツク港からついに帰国の途に着きました。しかし帰国したのは大黒屋のほか2名のみで他の仲間は厳しい旅路の途中で命を落とすか、ロシアに帰化していったと伝えられています。この間に大黒屋はエカテリーナ2世やロシア皇太子や貴族、政府高官から大変優遇され、ロシア文化に大きな足跡を残しました。ペテルブルクを離れる直前の1791年11月1日、大黒屋はエカテリーナ2世のお茶会に招かれ、日本人として初めて本格的な欧風紅茶(ティー・ウィズ・ミルク)を楽しんだといわれています。このことから、日本紅茶協会は、この日を日本における「紅茶の日」と定めたという逸話です。