2017年01月17日
釜炒り茶について
生葉を加熱する工程で一般的に蒸す方法のほかに、炒るやり方があります。
これを釜炒り(かまいり)茶といいます。釜炒り茶は九州でされているところが多いのですが、ごくまれに静岡県や他の地域でも作られています。釜炒り茶は明(室町)の時代に伝わったとされています。釜炒り茶はルートが二手に分かれています。長崎佐賀方面の嬉野製と宮崎熊本方面の青柳製です。最初に伝わったのが嬉野製で、1440年頃に中国の陶芸家が平戸に移り住み茶を植えたのがはじまりといわれています。その後16世紀はじめに中国式の釜炒り茶の作り方が伝授されました。一方青柳製は一説によると、加藤清正(1562~1611)によって朝鮮半島から連れてこられた大工、左官などの技術者が熊本県山都町付近に定住し、そこで茶を作ったのがはじまりといわれています。その茶を熊本城主に献上され、江戸時代には肥後日向の国境の番人が、この精製した茶を「青柳」と命名し藩主細川氏に献上されたそうです。嬉野製の釜は当初から製茶専用の釜が使われていたのに対して、青柳製の釜は煮豆やタケノコなどに用いられた凡庸性の釜でありました。
その後、乾燥工程の技術が発展され、昭和初期に入ってから機械化の研究が始められていきました。特に仕上げや炒り葉機の技術が革新され、また1950年頃に入ってから粗揉機などの蒸し製の機械が活用されるようになり現在に至っております。前者が釜炒り製法に対し、後者が蒸し製法といわれています。


写真は、柴本さんが宮崎で使用されたものを譲り受けられ、現在牧之原で使用されている仕明げ機と粗揉機です。
Posted by あ~茶ん@EcoGreenTea at 11:48│Comments(0)
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