茶の審査と鑑定について その3
今年の全国茶品評会が
静岡茶市場で11月16日~19日に行われました。部門は普通煎茶(4kg部門と10kg部門)、深蒸し煎茶、
かぶせ茶、玉露、
碾茶、
蒸し製玉緑茶、
釜炒り茶と分かれています。そのうち深蒸し茶部門では初めて松下園(
tea timeまるは)さんが初受賞されたほか、県勢による大臣賞受賞は20年連続、産地賞は2年連続で掛川市の受賞となりました。一方で普通煎茶は7年ぶりに大臣賞を県が逃した結果となってしまいました。詳しい結果内容は
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0904/news/page/news2021111901.html をご覧下さい。
品評審査の配点基準については
その1で記しましたが、5段階ランクがあり優・良・普通・やや劣・劣の順となります。このうち優が最も高く、品評会で入賞するような稀物という評価を、良は上級品として値する評価、普通は市場で最も多いとされる茶でやや劣は下級茶として扱う茶に、劣は規格外に近いのとして評価となります。より具体的な内容で説明すると、外観においては芽ぞろいや伸びが良いもの、光沢のあるものが美点に対して不足や不ぞろい、破砕、硬葉、混入があるものは欠点とみなされます。また爽快で新鮮味のある香りがあるものが美点であるのに対し青臭、焦げ臭、むれ臭、変質臭などがあれば欠点とみなされます。水色に関しては黄緑色の明るく澄んだ濃度感があるものが美点であるのに対し、濁りや薄く赤み・青み・黒み・赤黒みで沈みが多いのは欠点とされます。滋味に関しては甘み・渋味・苦味・うま味が調和され清涼感を与えられたものが美点に対し青臭味やこげ味、むれ味、変質味、苦渋味が強くでたものは欠点とされます。欠点が多いほど、減点が多くなります。こうした評価の良し悪しは摘採時期や製造における湿度や温度、水分含量の具合で左右されます。
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