番茶・晩茶の由来
晩茶(
番茶)とは何かということは以前にも綴ってきましたが、再びこの定義の話をしていきたいと思います。
番茶を茶業統計上では、硬くなった新芽や茎などを原料とした煎茶(緑茶)を意味します。いわば品質の外れた規格外の番外茶を意味します。番茶という言葉は室町時代の史料に書かれていることが確認されています。この頃は番ではなく
晩という字が使われています。14世紀後半に書かれたとされる「随自意抄」という古文書で初めて用いたとされています。晩は遅いという意味で何番かに摘採した茶であることがわかっています。江戸時代になると番茶は庶民の茶という意味で広く使われるようになります。当時は茶を煮だして飲んでおり。下級品の茶として広く使われていました。江戸初期以前につくられた茶は自家用として作られており、その後徳川幕府の御用茶といった高級茶が存在して意味を持つ言葉であるといえるようになりました。
番茶・晩茶には様々な定義が伝えられていますが、多様な自家用茶が伝承されている製法と利用法をもつ
日常茶であることがいえます。こうした地域間での多様な番茶は数多くあり、北は新潟県から九州沖縄にかけて50品目あるとされています。番茶の分類も様々で研究家によって異なった見解があります。それぞれが異なった製法で作られてきているわけですが、知れれているものを挙げると天日干しして蒸して作られる、岡山の美作(みまさか)番茶、徳島の阿波晩茶、
足助の寒茶などがあります。また煮だすものや後発酵させたもの、石臼で固めてからほぐして干すものまで様々な番茶があります。ふじのくに茶の都ミュージアムでは日常茶の魅力―日本に伝わる番茶の世界と題して様々な番茶の商品が紹介されています。詳しくは
https://tea-museum.jp/event/nichijocha.html をご覧下さい。
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