常茶の世界について その1
『小川八重子の常茶の世界』(平成8年出版)という本があります。小川八重子氏(1927-1995)は京都に生まれ、妙心寺雲祥院の渡辺琢山に煎茶道を学びます。煎茶道とは急須を用いて煎茶や玉露といった茶葉に湯を注いで飲む作法のことです。茶道(茶の湯)の部類に、煎茶道と抹茶道に大別されています。1966年に東京目黒で煎茶教室を開きました。この本を書いた小川誠二(1922-2010?)と結婚されています。一方の小川誠二は熊本に生まれ、慶応義塾大学卒業後、複数の商社に勤務し光学機器の輸出に従事されました。また、東京家庭裁判所に家事調停委員として出務されています。結婚後は川根に移り定住されました。茶の文化や喫茶の文化に赴き、手揉み茶や茶業の振興にあたるなど啓蒙活動に貢献されました。小泊先生など、多くの茶文化の著名人と会っており尊敬された方だと伺っています。さて、常茶の世界とは何かということは次回お話しします。
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