茶の十徳
明恵(みょうえ)上人(1173-1232)が京都栂尾(とがのお)にある高山寺で茶の種をまいて栽培した後自らお茶を飲んでその効用についてを『十ヶ条』に著して広められました。『十ヶ条』すなわち茶を飲むことで十の徳があるという由来から
茶の十徳としてまとめられています。これは以下の10の四字熟語から成り立っています。
一、諸天加護(しょてんかご) お茶を喫することで強く根をはり、生命力となり、守護によひって幸福になれる
二、無病息災(むびょうそくさい) お茶を飲むことで毎日を元気に暮らせ、病気することなく寿命が延びる
三、父母孝養(ぶもきょうよう) お茶の深い味わいによって素直な心を芽生えさせ、父母を養い孝行するようになる
四、朋友和合(ほうゆうわごう) 一服のお茶によって家族の団らんや友愛での場を分かち合える
五、悪魔降伏(あくまごうぶく) お茶の香気や成分によって疲労解消され、邪念が除去されることで心が安らぐ
六、正心修身(せいしんしゅうしん) 正常な心で実を正し、立派な行いをするように努めることで精神修養の効果をもたらす
七、睡眠自除(すいみんじじょ) お茶を飲むことで睡魔を追い払い、血液の循環が増進する
八、煩悩消滅(ぼんのうしょうめつ) お茶の深い味わいによって諸悪の根源から断ち切り、わずらわしい世事の疲れを忘れさせる
九、五臓調和(ごぞうちょうわ) お茶の栄養成分によって体が整い、健康が維持できる
十、臨終不乱(りんじゅうふらん) お茶の愛飲が心の平静を保ち、天寿を全うできる
この唱えが
茶の湯へと受け継がれています。
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