茶箱について
茶箱は、字の通り茶葉を保存しておく箱のことをいいます。茶道具やお茶を保管・保存、または収納して持ち運びするためにつくられた箱で、千利休(1522 -1591)が活動されたころから使われ始めたといわれています。当初は茶道具の持ち出し用として使われていましたが、次第にお茶の輸送に用いられてきていきます。
茶箱は長方形のものでできているものがほとんどで、杉の材木からできています。これは杉は湿気や乾燥を防ぎやすいため、茶を保管するのには最適であるといえます。また、杉の木が湾曲するのを防いだり、匂いを取るために約2ヶ月ほど天日干ししたものを使用されます。杉で作った茶箱の内側には柿しぶを塗った渋紙(和紙)をひいたり、さらに防湿防乾機能を上げるために亜鉛板やスズを貼って鉄板に亜鉛メッキをつけたもの(トタン)を貼るようになっています。茶箱は10キロくらいのものから大きいものは60キロくらいのものまで存在していますが、せいぜい20キログラム用の箱が中心に流通されています。
江戸時代後期になると、茶を海外に輸出されるようになり、
蘭字のラベルを貼った茶箱が多く用いられてきています。近年では防虫用の効果として衣服の保管やインテリアを兼ねた利用が話題となっています。下の写真は私が知り合いから頂戴した茶箱で、2枚目の写真は菊川赤レンガ倉庫に保管されているものです。
ふじのくに茶の都ミュージアムでは只今企画展として
茶箱・パッケージから見るお茶の未来の展示をされています。茶箱のラベルとして用いられた蘭字やパッケージが展示されています。詳しくは
https://tea-museum.jp/event/chabako.html をご覧下さい。
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