萎凋について

あ~茶ん@EcoGreenTea

2019年09月08日 02:46

これまで萎凋(いちょう)というワードを度々出てきましたが、もう一度復習したいと思います。萎凋とは摘採後の茶葉をしおらせることを意味します。「萎」も「凋」もしおれる、しぼむという意味を持っています。聞き慣れない言葉ですが、紅茶や烏龍茶、釜炒り茶(中国緑茶)といった発酵茶の製造工程であり、萎凋する、萎凋させるといった表現をされます。日本茶には萎凋させる工程がなく、中国やその周辺の地域(中国茶)で生み出されたものです。萎凋の目的は茶葉に含まれる酵素が酸化することで発酵させていくことです。萎凋されると、茶葉の水分が減り、重量が落ちていきます。例えば15時間ほど萎凋させると水分が元の6割減、重量が元の4割減となります。この時に華やかな香りが漂います。これを萎凋香(いちょうか)といいます。萎凋には自然萎凋と人工萎凋の2パターンがあります。元来のやり方が自然萎凋であり、機械を用いたやり方が人工萎凋であります。和紅茶や大量生産されている発酵茶(例えばリプトンや伊藤園で作られているもの)は人工萎凋させられているもので圧倒的に多いです。萎凋させる時間の長さはそれぞれ異なり、紅茶でも12時間以下から20時間以上とまちまちです。これは温度や湿度によって萎凋の進み具合が異なるからです。萎凋のバランスが味や香りに左右されます。

写真は県農研茶業研究センター発酵茶ラボにて招かれた際、紅茶の製造で萎凋後の茶葉です。温室萎凋機を使用されていてどのくらいたったのかはわからないですが、だいぶしおれております。この後揉捻機にかけられます。

発酵茶ラボは最新式の機械が導入されており、貸し出しができます。(勿論、生産者に限ります)
詳しい内容は http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-310/otyarabotoha.html ご覧下さい。



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